欧米では、仕事にやり甲斐とステータスを求めながら、プライベートもしっかり楽しむという風潮が根付いている。これに対して、日本は仕事とプライベートのバランスを取ることが難しいと言われている。

古い体質の企業では、就業時間が長いほど仕事熱心であるという考え方が未だに根付いている。また、その背景には、労働に対して正当な報酬を得にくい状況が長期に及んで定着していることも考えられるだろう。現在の日本は、余暇を楽しむ為の余裕が、通常の労働では十分得られない傾向にあるのだ。これは、介護の現場でよく聞かれる状態だ。

現在、仕事とプライベートを充実させていこうというワークライフバランスの取り組みが、国を中心に始められている。労働条件が厳しく、収入面がまだ充実しているとは言えない介護業界に関しても、行政が力を入れ始めている。厳しい労働に見合った待遇を得られるよう、収入面を中心に改善の動きが広まっているのだ。

特に、介護福祉士など、国家資格を有していながら、それに見合った収入が反映されていない職種に関しては、今後大きな改善が期待されるだろう。また、資格取得に関しても、現状を見直す対策が進められており、介護職はやり甲斐とステータスを感じられる職業という位置づけになることが予想される。
超高齢社会に向けての介護職者全般に対する増員計画もあり、十分な収入とプライベートを充実させる時間の確保が可能になるのは、そう遠い未来のことではないのかもしれない。